神 式
地鎮祭(起工式)
建築工事に先立ち、土地の神を祝って、敷地を清め、工事中の安全と建造物の末永い加護を願う祭りです。大規模な建築工事では必ず行われますが、個人の住宅では割愛されることが多く省略してもよい。儀式のやり方は地域の風俗習慣の差により、若干異なることもあるが、一般的なものをあげる。

神官との打ち合わせ準備
○日時と場所(大安、先勝、友引等)
○施主の氏名 ・設計者名・施工者名
○参会者の人数(玉串をお供えする人数)
○神饌品(お供え)をどちらが用意するか。
○神官の送迎の必要の有無。
○神官への謝礼の額
1週間位前に日時等を決定し打ち合わせをする。

用意するもの
○斎竹(いみだけ。 神座の四隅煮立てる青竹)
○斎砂(盛砂。鍬入れに用いる。)
○斎鍬、斎鋤(鍬、又はスコップ、正式には鎌も入る。特別に木製で揃える場合もあるが、 普通はスコップ等の柄に半紙を巻き紅白の水引で結んで代用)
以上は施工者が用意します。(場合によっては、テントも含みます。)

○神籬(ひもろぎ。神座でさかきの枝に麻苧と紙垂をつけたもの。)
○玉串(さかきの枝に紙垂をつけたもの)
○紙垂(和紙を形に切ったもの)
○祭壇用の台(神へのお供えを置く台で、玉串案、神饌案という呼び方をする。)
○神饌(米、塩、山の幸3種、海の幸3種、畑の幸)
 以上は神官が用意してくれますが、神饌は神官の指示を得て、施主や施工者が用意するこ とが多くなりました。米、塩を除き、すべて奇数でそろえます。
○このほか、酒、祝儀、直会(なおらい)のための飲み物やおつまみが必要です。
これらは施主が用意します。

儀式の順序
1. 手水の儀
式場の入り口に用意された水桶から柄杓で3回に分けて水を注ぎ・手を洗い・口をすすぎ白紙で手を拭く、入場前の儀式です。住宅レベルの地鎮祭ではほとんど行われません。
2. 修祓(しゅうばつ)の儀
祭壇に供えられたものからはじまり施主、参列者の順に神官がお祓いをして行きます。
3. 降神の儀
祓い清められた式場に神を迎える行事で、神主の降神の詞が唱えられます。
4. 献饌の儀
神饌を神の前に供えます。一般的には式の開始前に供えておき、お神酒を入れた瓶子のふたをとるだけです。
5. 祝詞(のりと)奉上
土地と建物の安全を神に願って神官は祝詞を読み、参会者も起立し頭を下げて願いを捧げます。
6. 四方祓い(または切麻散米)の儀
お神酒、米、塩、白紙(正式には切木綿)を敷地の中央と四隅にまきます。
7. 鍬入れ
起工の意味を含めて施主が鍬またはスコップで盛砂を3度、掘るしぐさをします。正式には設計者が鎌、施主が鍬、施工者が鋤の順で行います。
8. 玉串奉奠
さかきの枝に神垂を付けたものを施主・設計者・施工者及び来賓の順に神前に捧げます。
9. 撤饌の儀
神前のお供えを下げる儀式。実際にはお供えはそのままに、お神酒のふたをして終わります。
10. 昇神の儀
お迎えした神をお帰しする儀式で、神官の昇祝詞を奉上します。これによって儀式は終わり、参列者の直会(なおらい)に移ります。
上棟式
一般的に建前と呼ばれており、木造では棟を上げる建て方の仕事が終わったことを意味します。 従って大工の棟梁を中心にさまざまな職方が集まって、組上がった骨組みを見ながら、いつ頃自分 達の仕事になるかを確認したり、職方同士の意志の疎通を図る場となります。住宅工事に於いても 地鎮祭はしなくても、上棟式は行うのは、主催者は施主ですが、職人衆の祭事であるためで、神官を 頼まずおこなうのがほとんどです。
棟梁が一番高い棟木に幣束を立て、破魔矢を飾り、四隅の柱に酒と塩と米をまいて建物を清め、上棟式 の始めとします。
簡略されたような上棟式では、市販の上棟用幣束セットが使われます。施主の希望によって棟札に、 施主、設計者名、施工者名、完成後に竣工年月日を書き入れて、梁に取り付けることもします。
コンクリート造では、最上階のコンクリートが打ち終わり、ある程度のコンクリートの型枠もはずされて、 建物の形が見えてきた段階で行われます。
少し大きな規模の建物では祭事を神官に依頼し、定礎式と上棟式を兼ねて行うこともあります。定礎石 を棟札に代えて、建物の名称、竣工年月日、建築主、工事関係者等の名前を刻み、正面玄関近くの東南に向けて 配します。
竣工式
一般住宅においては竣工式までは行われませんが、入居後、新しい住まいの披露を兼ねて祝宴を催すことがあります。 近年は設計者、工事関係者、知人友人を加えて、ささやかなホームパーティーを開くことか多くなりました。竣工式は建物が無事完成したことを神に報告し、感謝すると共に、長く堅固であることを祈願する式です。大規模な建物では、清祓の儀、竣工奉告の儀をとり行ってから落成祝賀式となります。